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第157回 銀行貸金庫での盗難

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 2024年12月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年12月8日

事件の概要

三菱UFJ銀行で貸金庫の盗難事件がありました。ネット記事によると、三菱UFJ銀行は、「行員が、貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んでいた」と11月22日発表しました。被害額は時価十数億円に上る見込みです。

行員は東京都内の2支店で2020年4月から24年10月までの約4年半、貸金庫を管理する立場を悪用し、顧客の金庫を無断で開けて金品を繰り返し盗んだ模様です。


銀行の謝罪は不幸中の幸い

今回の事件が明るみになった最大の理由は規模の大きさです。被害者は60人程度いると報道されています。盗難の事実を認めれば、銀行側の信用は大きく傷つきますから、できれば否定したいはずです。

しかし、盗難の事実を否定してしまうと、問題が大きくなるリスクがあります。被害者60人のうち1人が、SNS上で「自分は貸金庫で被害に遭っている。銀行名は三菱UFJ銀行で支店名はOOOだ。似たような被害者はいないか」と声を上げた場合、被害者が次々と「自分もだ」と言い出すかもしれません。

同じ支店での被害が続いている場合、警察も動かざるを得なくなります。こうした展開になってしまったら、銀行の評判は自ら公表する場合と違い、「信用が地に落ちる」ことになります。下手をすれば、一定期間の営業停止命令が下ってしまいます。

こうしたリスクを恐れて、銀行は盗難の事実を公表したものと思います。

泣き寝入りのケース

犯人が窃盗を1回しか行わなかった場合は、被害者側は泣き寝入りになってしまっていたかもしれません。顧客側が盗難を声高に主張しても、銀行側から「そんなはずはない。何か証拠を示して下さい」と言われてしまいます。SNSで声を上げても孤立します。顧客側は自分の金品が盗まれたことを証明することができません。

過去にも「盗まれた」という話は少なからず存在しました。そのすべてが銀行側によって否定され、み消されました。その背景は、「大企業は信用がある。個人は信用がない」という考え方です。


被害者は正当に補償されるのか

被害者の苦悩はまだ続きます。銀行側との補償交渉において、正当な補償金額が得られるかどうか、明らかでないからです。

通常、貸金庫の中身は銀行に事前に登録・申告することはありません。何が入っているかは、顧客しか知らないのです。そのため、補償交渉において、「あなたはゴールド3キロ入っていたという。それを示す証拠はあるのか」と聞かれるでしょう。その証拠を提出することは極めて困難です。

ゴールド3キロ分の購入時の取引明細書を示すことはできます。しかし、それをもってしても、その3キロが金庫内にあったということを証明することはできません。さらに、親から譲り受けた宝石・宝物の場合は、その存在や価値を証明することはほぼ100%不可能です。また、自分でも何が盗まれたのか明確にわからない場合もあります。金の延べ棒が6本だったのか7本だったのかを忘れている人は案外多いでしょう。

通常、犯人は、こうした物品を闇ルートで売り払い、現金にしているでしょう。盗品は何も残っていないのが通例です。犯人が盗品リストを作成していれば、損害金額が確定できますが、自分の首を絞めることになるリスクは作成しないでしょう。

動画撮影がお薦め

貸金庫をお持ちの方で、今回の事件を重大視される方は入庫・出庫のたびに動画を撮ることをお薦めします。毎回中身をすべて出し、金の延べ棒ならば通し番号も撮影します。そして、必要なものを加えたら(または、取り出したら)、蓋を締めるまでの過程を全て撮影します。

こうすれば、盗難発生時に銀行から言われるのは、「動画が編集されているのではないか。本当は金の延べ棒は入っていなかったのではないか」という抗弁のみになります。この程度ならば、動画の鑑定で証明できます。

注意点があります。貸金庫室には監視カメラがあります。監視カメラのもとに金庫の中身をさらしてしまうと、税務署に中身を知らせることになります。銀行と税務署はグルですから。

ぼくの取引する貸金庫業者は、「当社で用意した小部屋内にはカメラはありませんから、そこを利用してください」と言っていました。また、カメラの位置を指で指しながら、「このような姿勢にすれば、背中だけが映り、中身は映りません」というアドバイスも受けました。

小部屋内に監視カメラがある場合は傘を開いて中味を隠すのがいいでしょう。


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