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第201回 圧倒的な中国勝利で終わった米中会談

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 11 時間前
  • 読了時間: 3分

トランプの姿勢で明らかに


2025年10月30日、米中首脳会談が韓国で行われました。会談は圧倒的な中国側の勝利でした。今日はこの理由を説明します。


国際情勢を考える時は、「首脳らの発言や合意の内容で考えないようにする」というのが鉄則です。大事な内容を故意に抜かしている可能性があり、合意の解釈もさまざまできるからです。これに対して、会談の場所や時間の長さは偽(いつわ)ることができません。偽りが許されない事実を手掛かりに考えていくのが賢い方法です。


会談は韓国の飛行場で行われました。米国大統領が中国主席の到着を待ちました。また、会議会場にも米国大統領が先にやってきて、中国主席を出迎えました。中国が上です。両国の立場がはっきり現れています。


また、米中会談は1時間40分でした。

これまでの米中会談と違い、時間が圧倒的に短かったです。前大統領時代には3~4時間の会談が行われていたのと対照的です。


米国はそれしか中国に時間を割いてもらえなかったのです。米国側の日程は帰国するだけですから、時間を延長することはできました。中国側が了承すれば、もっと早めに来てもらうこともできたはずです。(なお、1時間40分は日中会談の40分に比べれば長いです)


トランプ大統領は中国に課す相互関税を10%に引き下げると言いました。日本やEU、韓国が15%ですから、それ以上に中国を歓待していることになります。


また、来年にはトランプが中国を訪問することが合意されました。来年4月との報道です。これに対して、中国主席の訪米はそのあとであり、期日未定です。立場の弱い者が強い者を先に訪れるのは、社会一般でも同じです。


米国はどうしてこのように低姿勢に転じているのか。ここからは推論になります。

米国はドル崩壊を恐れているのです。金価格が4000ドル以上に高騰した最大の理由は新興国中央銀行の買いです。代表は中国です。


貿易のために、各国は外貨準備を保有します。この多くは、通常、ドル債です。しかし、新興国は、「ドル債は安全ではない。あまりに債務が多すぎる。利子の支払はおろか元本の返済さえ滞る事態が訪れるかもしれない」と思い始めています。新興国は過去に自国の債券がデフォルトし、大きなインフレを起こしてしまった経験があります。その経験から、「貨幣は崩れやすい。基軸通貨とはいうものの、ドルだって信用できない」と思っているのです。


トランプ大統領は「これ以上、ゴールドを買わないでくれ」という懇願し続けてきたでしょう。ただし、当日の議題にはしなかったはずです。会議には大勢の部下たちが出席したためです。どこからリークされるかわかりません。


「ゴールドを買ってくれるな」という懇願は事前のTV会議の席(1:1)で話し合われたものと思われます。


トランプはAPEC会議の開かれた韓国を訪れながら、その会議には出席せずに帰国しました。アジアにやってきた理由は1時間40分にあったと言っても言い過ぎではありません。

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