質問の要旨
私は個人事業主を営んでおり、法人名義ではなく個人事業主(屋号(商号)付きの)の決済用預金口座を持っています。決済用預金口座は政府が預金封鎖を発動した場合、全額(1000万円を超えても)保護されると聞いています。この話は信じて大丈夫でしょうか?
政府の見解を疑う理由
●個人事業主の資産は法的には個人の資産と見なされる。
●決済用預金口座は個人事業主でなくても誰でも今すぐ開設することができるため、政府の預金封鎖時における個人資産の定義の拡大解釈に当てはまりそうな気がする。
現在考えている対策
法人(株式、合資会社)等を設立し、法人格での当座預金(決済用預金)口座を開設する方法を取ることが、より確実なのではないか考えます。
理由
●法人にしてしまえば、法的な定義上、確実に個人の資産ではなく会社の資産と見なされる。
●法人口座は一般個人が銀行に行っても(法人登記をしない限り)誰でも今すぐ切り替えや作成ができる類のものではない。
●法人にしておけば個人資産の収奪における個人事業主の決済用預金口座や当座預金口座等が、政府の勝手な拡大解釈により、個人事業を営んでおらない一般個人の決済用預金口座と同じモノと見なされる公算は極めて小さいと思われる。
回答:
おっしゃっているように、個人の決済預金は危ないかもしれません。でも、
法人預金は安全でしょうか?あなたの論理を貫くとするならば、預金はすべて危ないと思った方がいいでしょう。
私たちの預金を保証してくれる預金保険機構では、次のように公表しています。
預金総額(保護対象となる預金) 1214兆円
準備金 473兆円
保証できる比率 39%
この表の意味するところは、「全銀行が倒産した場合は、39%しか保証できない。預金1000万円が390万円になってしまう」ということではありません。1214兆円の中には、1000万円以上の預金者の預金も含まれているからです。仮に、1000万円未満の預金総額(決済用の預金・当座預金を含む総額)が473兆円以下なら、全額保証となるし、473兆円の2倍(946兆円)ならば、保証は5割になってしまいます。
1000万円未満の預金総額が公開されていない以上、「実際にはいくらが準備金でカバーされるのかは明確ではない」というのが本当のところです。つまり、1000万円が完全に保証されるのではなく、減額もありえます。100%の確実を求めるならば、金庫に現金または金を置いておくことが最善です。
噂や推測って、本当に紛らわしいですね。その点、現実に適った数字的判断は 納得できます。経済的な話しなのに その根本は「現実的な場面の人間性」に左右されるのですね。