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第72回 ゴールドの賢い買い方

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 2023年4月15日
  • 読了時間: 4分

質問:ゴールドを買おうとしているのですが、どのようなペースでどのくらいの量(資産の何%)くらいを買ったらいいでしょうか?


回答:

ゴールド価格が2000ドルを超えてからこの質問が最も多くなっています。2つの点が重要です。



ポイント
➊焦らずにゆっくり買い進める
❷最終的にはできるかぎり多くの資産をゴールドに転換する。すなわち、預金は生活を維持するのに必要最低限にしておき、あとはすべてゴールドにする。


「焦らずにゆっくり進める」最大の理由は、ゴールド価格が長い低迷期に入った場合、投資初心者は気が気ではなくなり、ついには「ゴールド投資はこりごりだ」と思ってしまうリスクがあるからです。


図は2015年初からのゴールド価格(月足)です。2015年初からのチャートにした理由は、ぼくが『金はこれから2倍になる』を執筆した時点だからです。


図の中に大きな矢印がついた個所が2つあります。ここでゴールドを大量に買った場合、その後約3年近くの間は価格が低迷し、含み損が生じていました。同じように考えた場合、今日の値段がこれから3年間の最高値で、ここで大量に買ったら、含み損を抱えるリスクがあるという推論が成り立ちます。


それを避けるには「少しずつ買う」以外に手がないわけです。

皆さんの大切な資産ですから、大きな含み損が生じないようにお薦めするのがぼくの務めです。


逆に、ここから順調に上がっていった場合はどうなるのか?その場合はいっぺんに本日大量に買った場合に比べて購入コストが高くなってしまいます。しかし、それは大きな問題ではありません。どうしてなのか?



ゆっくり買い進めるメリットとは何か

定期的に増やしていくことには大きなメリットがあります。

まず、それを話す前に、定期的な買い方を実行した場合、コストはどうなるのでしょうか?下の表はゴールドを毎月、四半期(3か月ごと)、1年ごとに買い進めた場合の平均コストです。


平均価格 (2015年1月から2023年3月まで)

毎月購入した場合(99回): 1475ドル

3か月ごと(33回): 1477ドル

1年ごと(8回): 1459ドル


となっています。なお、1年ごとの数字がやや低いのは2023年に入ってからの高値での購入がないためです。このように見れば、定期的に買えばだいたい似たようなコストになることがわかります。


さて、ここからが大事な点です。

ぼくがゴールド投資を薦め始めた2015年初に大量に買った人は1250ドル程度のコストになっているはずです。こうした人に比べれば、少しずつ買ってきた人のコストは高いですが、資産形成をする過程で大きな含み損を抱える期間がなかったのが最大の利点です。ぼくが投資初心者の皆さんに薦めるのは、たくさん儲けることではなく、含み損ができるだけでないような安心な買い方です。



正しくない買い方とは何か?

「安くなったら買おう」というのは賢い方法ではありません。第一に、これから安くなることが分かっている人はいません。さらに、この方法の問題点は「量をたくさん買うことができない」という点にあります。こうした方の実際の心理はこのように展開します。


価格が少し下がれば、「もっと下がるだろう」と思い待つ。実際に少し下がると、「ではもう少し待とう」となる。今度は逆に価格が上がり始める。「あの値段まで戻ったら今度は本当に買おう」と思っても、実際にはそこまで下がらずに「待ちぼうけ」の状態になってしまう。最終的には「もう買うしかない」と高値を買うことになるか、買わないままでいるかを選択する。


こんな感じになってしまいます。


ゴールド投資で最も大事なこと

ゴールド投資において大事なことは、安いコストで買うことではありません。上の例で言うならば、1250ドルで買う方が、平均価格1475ドルで買うことより良いに決まっていますが、差額は225ドルにしかすぎません。ぼくは書籍の中で、「ゴールド価格が7000ドルになる」と予測しています。それが正しいならば、225ドルの差は微々たるものになってしまいます。


最大に重要な点は、できるだけ多くの資産をゴールドに換えておくことです。これが来る大型の金融危機から資産を守る最高の方法です。ゴールド投資は守ることと蓄財とが一緒にできる優れた方法です。


しかも、量をたくさん買うメリット(=儲け)は、価格を安く買うメリットよりかなり大きなものになります。そのためにも、ゆっくり買い進めることが重要です。含み損が出るとその決意が萎えてしまいますから。


結果的に儲けられれば、それで良しとするのではなく、その途中経過で不安な気持ちで過ごす時間が少ないのが最善です。心理的に安らかな方法を選ぶことが大切です。  

 
 
 

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