質問:
最近、ゴールド価格が上がってきています、今後も順調に上がっていくでしょうか?
回答:
そう単純ではないかもしれませんが、今後のゴールド価格については楽観的に考えていいかもしれません。
ぼくはゴールド価格の長期的な上昇については全く疑っていませんが、今後下がる時期があるかもしれないと申し上げてきました。その理由は、ゴールドがここ1年は株式市場と同じように動き始めたことにあります。つまり、「株価が上がれば、ゴールドが上がる。株価が下がればゴールドが下がる。」という動き方をしていました。
ゴールド需要の約半分は宝飾需要です。これは景気が悪くなれば真っ先に姿を消してしまう需要です。株価の下落は景気の下落を意味しますから、ゴールド価格が落ちるのは理にかなったことです。実際に、リーマンショックにおいて株価が6割下がった際、ゴールド価格も3割下がりました。
ところが、1月2月までは順方向だった動きが3月に入り、逆方向に転じました。図は2023年1月からのゴールド価格と米国のダウ平均の動きです。米国やスイスの金融不安に際し、ゴールド価格が上昇しました。「有事にはゴールドが最適」という考え方が市場に広がったためです。
つまり、今後株価が大きく下がった場合、金融不安が台頭し、「景気悪化は宝飾需要を冷やす。それはゴールドにとってマイナスの話だが、重要なのは有事に資産を守ることだ」という発想のもと、ゴールド価格は株価下落時にも上昇に向かう可能性が高まりました。
では、今後ダウ平均が上がれば、逆にゴールド価格は下がってしまうのか?というと、
有事ほどには上がらないでしょう。しかし、株価が上がることは景気がいい時であり、宝飾需要が見込める時でもあります。そのため、ゴールド価格が大きく下がることはないでしょう。
このように考えると、ゴールドは投資家にはバラ色の未来が待ち受けているように思えます。しかし、相場には予測外の事態が起きる可能性が常にあります。例えば、「ゴールドの生産量が再び増産に転じた」といったニュースが出てきた時です。量が増えれば価格は下がります。ですから、少しずつポジションを増やしていく戦略を今後も続けていくのが賢い方法だといえるでしょう。
今回も的確なアドバイスをありがとうございます。
「少しずつポジションを増やしていく戦略」を続けていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。😊 H.W