質問:ゴールドの今後の上限価格・下限価格を教えてください。
回答:上限、下限という価格設定はしていません。これは危険な発想なのでやめた方がいいです。今日はその理由をお話しします。
下限価格の問題
仮に下限を7000円(1グラムあたり)に設定したとしましょう。現実にゴールドが7001円で底を打ったとします。
自分が7001円で買えるのか?
無理だと思います。7000円になるまで待つでしょう。その日は決して来ないので、後日高い値段になってから、「やっぱりあの時の7001円が底だったのか。自分の下限設定価格は間違ってはいなかった。でも、出遅れてしまった」と思い、「少しでも、下がったら買おう」と方針を変えるでしょう。
ところが、少しも下がらずに連日の上げが続くと、「もう買うしかない」と思って、潔く買ったら、そこが目先の天井だった、ということが起きます。慌てて損切りをしてしまうかもしれません。これは珍しいことではなく、過去のぼくにはよくあったケースです。
上限価格の問題
上限はもっと危険な発想です。
相場格言に「天井3日、底100日」というものがあります。「底値を100日間も長く続け天井は3日しかない。だから早く手仕舞う必要がある。」という意味ではありません。相場が沸騰すると、価格は毎日上がります。驚くばかりの暴騰となります。本当の天井(最高値)は3日しかないくらい、日々暴騰するという意味です。
添付の図をご覧ください。1967年~1981年のゴールド相場です。最後の数か月で2倍以上になっているのがわかります。ホップ期、ステップ期といった長く続く地ならし時期においては、ファンダメンタル上の理由がないと相場は上がりません。一方、ジャンプ期には人々の理性が消え、「上がるのだからもっと買おう」という気持ちが相場を押し上げます。どこまで上がるのかは、誰にもわかりません。
この時期が一番おいしい時期です。何年もかかってゴールドを積み立ててきたのに、あと1~2か月だけ長く保有して大きな利益になるとしたら、待たないのはもったいないですよね。
上限予想を立てると、その価格に拘泥(こうでい)してしまい、手持ちのゴールドを先走って売ることになってしまいます。
こうしたことを考えると、自分が「安いな」と思ったら買う、または定期的に買うというのが正しい戦略だと思って下さい。売る際は、「早い過ぎるよりも遅すぎる方がいい」ということを心に留めておいてください。
大変勉強になりました。
株を購入する際、どんどん現在値が上昇してしまい「あそこで購入していれば」と思うことが多々あります。そして、買ったら現在値が下がる。これは私もよく経験しています。
今の値段が「安い」と判断したら、そこで購入する。納得しました。
今年は「ボックス圏になるのではないか」ということなので、安くなったら買い増しをして買値単価も引き下げられたらと思います。
また、売る際の心構え「早すぎるより遅すぎる方がいい」も肝に銘じたいと思います。