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第178回 FXは儲からない

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 5月4日
  • 読了時間: 3分

ボラティリティで考えるとすぐわかる


FXを投資対象として選択している人たちが多いようです。ぼくは「FXはやめましょう」と話しています。今日はその理由をお伝えします。


FXをお薦めしない最大の理由は、儲けが少ないからです。これについて、ボラティリティという考え方を用いて説明します。


ボラティリティは、図表1にあるように、

ある日の高値から安値を引きます。そしてその値幅を当日の終値で割ります。

この値をボラティリティと呼ぶことにします。ボラティリティは、1日の間にどのぐらい値段が動くかを示すものです。



ドル円の場合は0.77%ですが、銀の場合は2.57%になっています。銀の方が明らかに大きいです。私達は、儲けるために投資を行うのですから、値幅が大きいものを選ぶのが当然です。


FXの値幅は大きくないのです。なぜかというと、それはFXの基本的な存在理由にあります。ドル円の場合でしたら、FXは日本の通貨と米国の通貨とのレート差になります。通貨とはその国の暮らしを支えるものですから、通貨間のレートが大きく変わっていくのは困ります。


例えば今年は1ドル100円だったのに対し、翌年は200円、その翌年は300円というのでは、貿易がうまく機能せず、生活がうまく回っていきません。ですから、誰もが、「通貨間のレートはできるだけ安定しているのが望ましい」と考えるわけです。


そうした発想が人々の頭にあって、FXは日々の動きが小さめになっています。これに対して、他の商品はその商品が大きく上がることで、損失を被る人が比較的少ないですから、商品市場は大きく値段が動くことになります。


プラス効果も少ない

図表2に銀とドル円のボラティリティの推移を示しました。これを見ると、銀もドル円も、ともにボラティリティの大きい時期と小さい時期があり、その時期が大体一致していることがわかります。ボラティリティの大きい時期に取引すれば儲かりやすいですから、わかりやすく言えば、銀とドル円とは儲かりやすい時期が似ていることになります。



仮にこの時期が大きくずれていて、ドル円が儲かる時期に銀がそれほど儲からないというのであれば、ドル円に投資する意味があります。両者に同時に投資した場合、損益曲線がより滑らかになるというプラス効果があるからです。


しかし現実は、同じ時期に儲かり、同じ時期に損が発生しているのですから、ドル円のような値動きの小さな商品に、手を広げることには、ほとんど意味がないと言っていいでしょう。


こうしたことから、ぼくはドル円投資をやめるようにおすすめしています。


有料の投資講座を始めました。これに伴い、毎週更新するのはウイズのみとしました。ご興味のある方は次のURL「林則行 知るだけで勝てる株式投資番組」をご覧ください。

 
 
 

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