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第181回 ゴールドはダイヤモンドのように暴落しない

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 1 時間前
  • 読了時間: 3分

実験成果は誇大広告に過ぎない


「鉛からゴールドを合成した」というニュースが世界を驚かせました。今日は

このニュースが全くの誇大広告だという話をいたします。

投資家の中には、金がダイヤモンドの二の舞になりはしないかと危惧する

人がいます。


天然ダイヤモンドは人工ダイヤの生成・普及により、価格が大幅下落してい

ます。2023年から2024年にかけて、天然ダイヤモンドの価格は平均

40%を超える下落率となりました。その結果、RapNetダイヤモンド指数は

、過去20年間で最低水準を記録しました。特に婚約指輪に使用される1カ

ラット前後のダイヤモンドは、2021年のピーク時と比較して、最大50%を

超える下落となっています。

この主な理由は「天然ものと人工ものとの区別がつかない」という点にあり

ます。「人工もの(7分の1の価格)で十分じゃないか」と人々が思い始めて

いるので、天然ダイヤはまだまだ下がるでしょう。

ゴールドがこのような事態に追い込まれることはないのか?

その心配は全くないでしょう。


ゴールドの合成はできない


欧州原子核研究機構(CERN)の研究チームが、鉛の原子核を金に変換す

る「錬金術」に成功したと報道されています。

しかし、生成された金は4年間の実験において、総量29ピコグラム(1兆分

の1グラム以下)でした。しかも、ごく微量なゴールドの粉が出来たのではあ

りません。今回生成された金原子核は非常に短命で、マイクロ秒程度で他

の粒子に分解されてしまいました。


そのため、既にその金はこの世に存在していません。生成された金が地球

上に広く存在する物質と同じ構造であったかどうかが確認できないようです。陽子の数が79あれば、金であることは確かなのですが、中性子(118)の

数が異なる可能性があります。

過去にも、金は微妙ながら生成されてきました。しかし、それは実験室内の

成功に過ぎない話でした。1941年、米国で水銀への中性子照射により放

射性金の生成に成功しました。1980年、Lawrence Berkeley National

Laboratory(LBNL)では、ビスマスから数千個の金原子を生成しましたが、コ

ストは1グラムあたり数億円に上りました。これらも金価格への影響は全くあ

りませんでした。

ゴールドとダイヤモンドは何が違うのか?化学上の難易度が全く異なります。


ダイヤモンドはチョークと全く同じ炭素で出来ています。人工ダイヤとは、

言わば、チョークからダイヤを作る技術です。

これに対して、鉛と金とでは陽子数の全く違う元素です。陽子数を減らす(増

やす)には巨大な力が必要です。そのコストは地球上に存在する天然の金

を掘り出すコストの1兆倍になります。

私たちがゴールド投資を行うのはこれから3~4年です。その間に価格をマ

イナスに動かすような技術革新が現れる心配は全くないと言っていいでしょ

う。


有料の投資講座を始めました。これに伴い、毎週更新するのはウイズのみ

としました。ご興味のある方は次のURL「林則行 知るだけで勝てる株式投

資番組」をご覧ください。

 
 
 

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