第182回 仮想通貨は盗まれやすい
- ファンクラブ 林則行さん
- 6月22日
- 読了時間: 3分
多くの人が知らない落とし穴
仮想通貨については、ぼくは否定的な見解を皆さんに述べてきました。その理由は、「ゴールドほどには上昇しない」という見通しによるものですが、今日はもうひとつの理由について述べたいと思います。盗難のリスクです。
最近では、証券口座が乗っ取られて、自分に身に覚えのない取引が発生し、損失を被ったことが世間を騒がせています。仮想通貨はさらにリスクが大きいと考えてください。
証券会社は比較的厳しいセキュリティチェクが施されているので、外部の口座に現金を移動することが難しく、そのえmたの取引を乗っ取る方法に限定されました。証券口座乗っ取りの場合は元本が失われることはありませんが、仮想通貨については全額流出のリスクがあります。
皆さんは取引所から仮想通貨が流出したという事件についての記憶があるでしょう。代表的な例は次の表のとおりです。
取引所 流出額 事件発生時期
Mt.GOX | 約470億円 | 2014年2月 |
Coincheck | 約580億円 | 2018年1月 |
Zaif | 約67億円 | 2018年9月 |
BITPOINT | 約35億円 | 2019年7月 |
Liquid | 約69億円 | 2021年8月 |
DMMビットコイン | 約482億円 | 2024年5月 |
こうした盗難のリスクについて、「自分には起きない」と思っているのではないでしょうか?台風の被害に遭った人が、「まさか自分の身に起きるとは!」と語っているシーンを何度も見てきたことを思い出してください。
ここで重要なことは、「盗難が取引所で起きている」という事実です。取引所は盗難リスクにとても敏感なはずで、細心の注意を払っているはずです。にもかかわらず、盗難が起きてしまうのは、「仮想通貨は銀行預金・証券口座に比べて盗難が起きやすい」というのが事実だからではないでしょうか?
同じことは、個人で仮想通貨を保管する際にも生じます。保管方法には2つあります。ホットウォレットとコードウォレットです。
インターネットに接続した状態(ホット)で保管すると、ハッカーがいつ狙ってくるかがわかりません。個人でのセキュリティ対策は取引所に比べて、甘いものになっています。いったん狙われれば、セキュリティソフトを導入していたとしても、資産流出は免れないでしょう。
コールドウォレット(インターネットに接続していない状態での保存)を用いれば、オフライン時はハッカーの侵入はなくなります。しかし、資産流出のリスクはなくなりません。取引の際には。必ずネットに接続するからです。その際を狙うハッカーがいるのです。
昔から金持ちがゴールドを自分の蔵に蓄えてきたのは、「他人からの盗難リスクが最も小さい」と考えたからです。資産は自分のそばから離れるほど、盗難のリスクが大きくなるという事実は忘れないでください。
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