回答:
ゴールドは今年高い時期や安い時期のあるボックス圏の動きを想定しています。その中で安い時期が買い増しのチャンスになると思います。本格上昇は来年になるのではないでしょうか? (来年は株価暴落が本格化し、ゴールドの暴騰につながると思っています。)
解説:
図にあるように、ゴールドの主な需要先(全体の56%)は宝飾です。経済的に余裕がないと人々は宝飾品にお金をかけません。すなわち、景気が悪くなると宝飾需要は落ちます。これから来る株価暴落は人々の消費マインドを冷やしますから、ゴールド需要も落ち込むことになるでしょう。
次に大きな需要先は投資(25%)です。投資家は宝飾需要の減少を見込んでゴールドの購入を減らすか売却するでしょう。これも価格に関するマイナス要因です。
これに対して、中央銀行(11%)は継続的に買い増しを行なっています。2010年には79トンだった需要が2021年には474トン、2022年9月までの9か月間には673トン買っています。米国株価が下がり、米国の通貨信用が揺らぎだせば、各国の中央銀行はさらにゴールド買いを進めるでしょう。
それでも、宝飾需要、民間の投資需要の減少分を中央銀行の買いでは補うことはできず、ゴールド価格は軟調になる可能性が高いです。実際のところ、2007年~09年の株価暴落(約6割減)の際に、ゴールド価格は3割下がりました。
それでは、株価の暴落時に、今回はゴールドが3割といった大幅下落に見舞われるのか?ぼくはそこまでの下落はないと思っています。その理由は2つです。
1. 一部の投資家は米国の株価暴落が通貨信用の問題に発展すると見込んでゴール買いに走ると予想します。ここには、このサイトを読んでいる皆さんも含まれます。そのため、投資家のゴールド売りは2007~09年の株価暴落時程ではないでしょう。なお、2020年のコロナ暴落時には株価は大きく下がりましたが、ゴールドはほとんど下がりませんでした。
2. 供給面からもゴールド価格には下支え要因があります。鉱山会社の世界平均の生産コストが1700ドル程度だと予想されることです。一般には、生産コストがいくらであっても、買い手がいなければ価格は下がります。アパレルが好例で、最終的には生地代金にもならないほどに下がってしまいます。
その点、ゴールドファッション関連産業とは違い、地金そのものが永遠の価値を持っているので、コストに見合わなければ、鉱山会社はある程度の期間出荷を見合わせることができます。そのため、ゴールド価格が1700ドルを割る大きな下げ起きないだろうと思っています。
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