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第53回 世界の最大手銀行の中で破たん懸念がないのはどこですか?

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 2022年12月3日
  • 読了時間: 1分

質問:世界の最大手銀行の中で破たん懸念がないのはどこですか?


回答:中国の銀行とHSBCでしょう。


図は世界の20大銀行(総資産順位)を記したものです。20行で54兆ドルの総資産です。順位を100行までに拡大した場合、総資産は55兆ドルにしか増えません。上位20行で97%を占めていることになります。

この中で破たん懸念のないものはどれか?


①中国の銀行は米国債やユーロ債などの保有が少ないため、G7国家の国債デフォルトが起きても破たんを避けられるでしょう。


②HSBCは元来は英国系ですが、本社は香港にあります。今は香港系(つまり、中国系)といってもいいでしょう。この会社は相当の米国債などの保有があると思われます。そこだけを見ると、破たん懸念がありそうです。

しかし、同社は香港の発券銀行(お札の発行)であり、香港政府へも多額の貸し付けを行っています。また、中国内にも多くの金融機関を子会社に持っているので、破たんになると、香港経済が傾くことになりかねません。そこで、危機が訪れた場合は中国政府が支援に乗り出すでしょう。具体的には中国工商銀行などの傘下に入ることになりそうです。


③G7の銀行は自国の発行する国債や米国債を多額に保有しているので、破たんを避けられないでしょう。



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