質問:
有事の際のスイスフラン(スイスの通貨)という言葉を聞いたことがあります。日本円の逃避先として、スイスフランは魅力的でしょうか?
回答:
お薦めしません。有事の際のスイスフランというのは、有名な言葉ですが、これから大不況には役に立たないものです。
日本が大不況に陥った際、欧州も大不況にあるでしょう。その際、日本よりもスイスの方が若干は経済状況がいいかもしれません。ただし、これは「まし」なレベルに過ぎません。
投資は自分のお金を賭けるのですから、「まし」な程度ではリスクが多すぎます。
スイスをリスクのある投資先だと考える大きな理由はクレディスイス銀行にあります。同行はUBSに次いでスイス第二の銀行ですが、ドイツ銀行・バークレイズ・BNPパリバなどとともにグローバルに大規模な事業展開をする欧州系投資銀行の代表格になっています。
図にあるように、クレディスイスの株価は21世紀の最低レベルにあります。UBSとは対照的な株価です。経営破たんまであと一歩というところでしょう。この銀行が破たんとなれば、同国の金融・経済に測り知れない影響が生じます。
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