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第41回 デジタル通貨が登場すると、金価格はどうなりますか?

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 2022年9月20日
  • 読了時間: 2分

質問:最近、各国の中央銀行がCBDC(中央銀行デジタル通貨)の実用化を急いでいるそうです。

実現されたら、ゴールドの価値はどうなるのでしょうか?


回答:ゴールド価格への影響は当面ないでしょう。

デジタル通貨が導入された場合、当初は1ドル=1デジタルドル、1円=1デジタル円に固定されるでしょう。仮想通貨のように1ドル(1円)との交換価値が日々刻々変動するものではありません。ゴールドを購入する際に、現金なのか、通常の送金なのか、デジタル通貨送金なのかになるわけですが、金額が変わらない以上、変化はありません。


デジタル通貨の導入の理由は2つです。

第一(最大の理由)は脱税防止です。国家はできるだけ徴税したいので、管理化が進む方法を好みます。さらに、国家に反逆する人間や組織に対して、「デジタル通貨のデータを消去するぞ!(無一文にしてやるぞ!)」と脅すことができます。管理社会の徹底化つながります。


この観点から、ゴールドへの需要に変化が出ると読むことができますが、これは読みすぎでしょう。


第二は中国とそれに対する反発です。

2019年以降、中国は中国人民銀行を世界で初めてデジタル通貨を発行する中央銀行とするように推進しています。国内でスマホ決済が広く普及していることがその根底にありますが、ほかにも重要な理由があります。それは、デジタル通貨の分野で世界の主導権を握る(デジタル通貨の規格、技術の中国方式を広める)ことで人民元の国際化を進め、将来は世界の基軸通貨のひとつにしていこう狙いがあります。


各国中央銀行は中国の狙いに気づいており、自国が取りこまれるのを避けるため、躍起となってデジタル通貨研究を進めています。


このようなデジタル通貨導入目的から考えても、デジタル通貨がゴールド価格に影響を及ぼすとは考えにくいです。

 
 
 

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