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執筆者の写真ファンクラブ 林則行さん

第37回 ジム・ロジャーズ:「今からすぐ『日本終了』に備えよ」をどう読みますか?

質問:

ジム・ロジャーズのインタビュー記事「「今からすぐ『日本終了』に備えよ」を読みました。林さんは同氏の弟子でしたよね。この記事をどう思いますか?


回答:

記事は以下のサイトに記されています。

まず本文を要約しましょう。

【ロジャーズの分析】

〇月まで届きそうなほどの債務額」の増大、世界一のスピードで進む少子高齢化、保護主義(移民を受け入れない、存在価値が薄れた「ゾンビ企業」を延命させる、規制緩和をしない)等が20年後に日本を滅ぼす。

〇歴史上、財政赤字で窮地に陥った国はたくさんあるが、いずれもきちんと返済できた例はない。ブルボン朝時代のフランス、20世紀の2度における大戦間期のドイツ、戦後の日本、最近では財政破綻した旧ソ連がそうだ。みな猛烈なインフレに襲われ、国民の資産価値は大きく失われることになった。

〇深刻な危機の影響を一番受けるのは中流階級であり、仕事もお金も失い、子供の教育機会も失ってしまうリスクが高い。

【ロジャーズの対策】

〇大恐慌のような未曾有の危機に見舞われた場合に備えて、第1に、海外に一部資産をおいておくこと、第2に、流動資産を常に持っておくことが必要だ。そして、第3に、自分自身で考え、他人が推奨している銘柄をむやみに買わないことも重要になる。さらに、もう1つ、プランBの一環として、子供に他国の言語を習わせることも、次の人生を広げてくれることになるだろう

〇『危機』は、その文字の通り、危険の後にはチャンスが来るということでもある。一定の流動資産があれば、その機会を手に入れる原資にもなるはずだ。

【林の意見】

ジム・ロジャーズの分析に関してほとんど賛成です。ぼくが、『世界が大不況でも資産を増やるって本当ですか?』で書いたこととほぼ同じ内容になっています。ただ、ぼくはできるだけ悲観的な言葉を用いないで本をまとめました。それは、危機を煽(あお)るべきではないと思っているからです。


ぼくは日本だけではなく、米国も欧州も同じような悲惨な事態が待ち受けているだろうと思っています。おそらくジムも同意見でしょうが、原稿内には日本以外のことについては書かれていません。


これからの時代が厳しいものになる理由をぼくは次のように考えています。


〇先進国では満たされた生活が実現したため、人々が働くかなくなった。そのため、GDPの伸びが低位に留まっている。技術革新も停滞し、経済成長の原動力に欠ける。


〇低賃金の新興国の追い上げにより先進国はますます厳しくなる。先進国と新興国の賃金格差が解消されるまで、先進国の労働者の賃金は伸びない(または、低下傾向になる)。


〇伸びない経済を伸ばすために先進国は大量の借金を作った。このつけが近い将来私たちを襲う。驚異的なインフレ、株価の大暴落が起こるだろう。


ジム・ロジャーズの対策について、ぼくの意見は以下の通りです。


ジム・ロジャーズは海外に資産を置くことを推奨していますが、一般の日本人には言葉の壁があり、難しいです。また、ジム・ロジャーズは流動資産を持つことを推薦しています。ぼくはこれがゴールドにあたると思っています。現金はインフレに弱いです。ゴールドは不変の価値がありますから、いつでも換金できます。


ロジャーズは危機のあとにはチャンスが訪れると述べています。ゴールドの価値が大きく増えれば、その際の原資になるでしょう。

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