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第29回 先進国が通貨を金本位制に戻す可能性はありますか?

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 2022年8月9日
  • 読了時間: 2分

質問


著者の本購入しました。良い勉強になりました そこで質問ですが、クレディ・スイスで短期金利ストラテジストをやっているゾルタン・ポズサー氏が、「紙幣の価値暴落によって各国の中央銀行が追い込まれた時には、紙幣の価値を維持するために紙幣とゴールドの交換を保証する、つまり金本位制を復活させる可能性がある」と語っていました。そうなれば、通貨の暴落は起きないことになります。この見解をどう思いますか?


回答

ゾルタン・ポズサー氏の理屈は完璧に破たんしています。氏が、「紙幣の価値暴落によって各国の中央銀行が追い込まれた時には、紙幣の価値を維持するために紙幣とゴールドの交換を保証する」と言っているとしたら、歴史を調べたことがないのでしょう。紙幣の価値を維持するだけのゴールドの保有ができなかったので、金とドルとの兌換が崩れました。1971年のことです。


地球上のある金の総額が11兆ドル程度だと推定されています。これに対して、米国のマネー(M2)は21兆ドルあります。米国の中央銀行が世界中の金を集めても、自国の通貨をサポートできません。


金本位制についてはすでに復活しています。ロシアがこの3月から採用し、現在はルーブルの為替レート(対米ドル)はそれを好感して、2020年以降の最高値をつけました。ファンクラブの定例通信67回(6月3日)をご覧ください。「金本位制は投資家に歓迎される」ということが実証されたわけです。


そのため、豊かな国(例:石油産出国)は金の保有が十分にあるでしょうから、金本位制に移行していくでしょう。今までは米国に遠慮してできなかったのですが、ロシアが先鞭をつけてくれたので、自由に移行できるようになりました。


いづれは先進国の為替レートは総崩れになるでしょう。新興国との地位が逆転する時が来ると思います。


 
 
 

1 Comment


🐟魚と投資保全🟡  宜しくお願いします
🐟魚と投資保全🟡  宜しくお願いします
Aug 11, 2022

金の裏付けの有無からも、先進国の通貨暴落と新興国との逆転を指摘される先生のお答えに、目から鱗が落ちる感あります。

質問者さまの問いあってこそのすばらしい見解をいただきました。

ありがとうございます🐟

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