第27回 これから訪れる経済危機はスタグフレーションですか?
- ファンクラブ 林則行さん
- 2022年8月4日
- 読了時間: 2分
質問:
これから訪れる経済危機は、不況プラス物価高騰の「スタグフレーション」になると思うのですが、いかがでしょうか?
回答:
これから訪れる経済危機が「不況プラス物価高騰不況」になるところまでは正しいのですが、それをスタグフレーションとは呼びません。
難しい言葉を知っていますね。スタグフレーションという言葉はぼくには難しすぎるので、新著『世界が大不況でも資産を増やせるって本当ですか』には用いていません。
できるだけ、平易な言い方をするように心がけましょう。これはとても大切なことです。
スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーションが同時進行する現象のことをいいます。この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Inflation)」を組み合わせた合成語です。
これから訪れる経済危機は大きな不況と大きなインフレがやってきます。だとしたら、まさにスタグフレーションになるのではないか、と思うかもしれません。
ところが、このスタグフレーションという言葉は1970年代のオイルショック後の時のような状態を表現する際に用いてきました。つまり、不況のレベルがマイルドな場合に用いる言葉です。一方、これから来る不況は過去最大級の恐慌であり、通貨暴落が途中から誘発され、大型インフレが発生します。
これから起こることを一言で言い表すとすれば、経済危機、大恐慌といった言葉が最適でしょう。
スタグフレーションといった難しい言葉は使わないようにしてください。スタグフレーションのように学者が使うような言葉では、実感が湧きにくいです。これに対して、危機と言えば、その実態がすぐに感じられるでしょう。私たちが経済を学ぶのは自分を守るためですから、できるだけ身近な言葉を使うことをお薦めします。
林則行先生、大変明解なご回答を頂きありがとうございます。1929年の株式市場の大暴落から始まった世界大恐慌を超えるような世界経済崩壊の危機が今後起こりうる可能性も想定されます。世界大恐慌では、通貨の下落やインフレ、国債デフォルトまでは起きてなかったと記憶してます。世界経済の大きな危機に備えて、今からコツコツとゴールドを購入して行きたいと思います。