第24回 給与半減のサインはありますか?
- ファンクラブ 林則行さん
- 2022年7月16日
- 読了時間: 3分
質問:
今度の新著の目次(要旨)を拝読しました(本の紹介サイトに掲載していました)。
「給与が実質半減する」とありましたが、そのサインはありますでしょうか?
また、それをサラリーマンは避けられるのでしょうか?
避けられないとしたら、金で儲けて備えるしかない、ということでしょうか?
回答:
1.給与半減の兆し
給与が実質半減する兆しについては、実際にすでに始まっています。
図を見ながら説明しましょう。
① 給与は1997年にピークをつけたのち、2009年(リーマンショックの底)で最低値をつけました。この間15%下がっています。
② リーマンショックのあと、回復していますが、回復のペースは非常に鈍いものです。新興国の安い賃金に比べて、日本の人件費は高いので、給与が上がらなかったのです。今後、好況が続いたとしても上昇は限られたものになるでしょう。
③ 不況が始まれば、1997年~2009年のような下降トレンドが始まるでしょう。不況が過去最大級だとすれば、下落幅も過去最大級になるのは当然です。さらに、新興国の労働者は技術力をつけているので、日本の賃金は不況には大幅ダウンになってしまうでしょう。ここから2~3割の下落は避けられないと思います。
④ ここに大型のインフレが加われば、給与が実質半分の価値になってもおかしくありません。
2.対策
対策の最善はゴールド投資です。資産価値が数倍になるでしょう。
ただし、この難点は元手が必要だということです。ゴールドを買うお金がないと、投資ができません。
そこで、多くの人が注目しているのが副業です。
人々が副業に熱心になってきた背景は、給与減少傾向が続くと皆が感じているからでしょう。
また、会社側にも社員の副業を認めるようになってきました。その理由として、会社は「自社の給与レベルは低すぎだ。ほかで働くな、と言えなくなってしまった」と考えているのです。
ただし、副業は難しいです。
副業に心を奪われている人は、他人の芝生が青く見えていないでしょうか?副業でそれなりの収入を得ようとすると、実力がものをいいます。満足のいく仕事をした人にしか次の仕事が来ません。しかも、働く時間が増えるわけですから、体力的な問題も生じます。
さらに、社会的に副業が増えることは「痛しかゆし」の側面があります。副業が増えるということは、企業が仕事を外注にどんどん出すことです。これは、今まで社内でやっていた仕事を減らすことにつながります。人員削減ならびに給与削減に向かう動きです。
ぼくのお薦めはまずは副業ではなく、本業の中で自分の差別化を図る工夫を再検討することです。ぼく自身は失業を何回か経験しています。そんな時は、「さあ、完全に自由な時間が出来た。専門知識の習得に励もう」と思って取り組みました。自分の専門分野(株式、先物、為替、債券)以外にも、周辺分野(不動産、経済全般)にも知識があるのは、失業期の充電時間があったためです。
流行(はや)っている医者や税理士、大工といった人たちをみると、顧客に親身になって相談に乗って人気を獲得している人がたくさんいます。愛想がいいと評価がだいぶ上がるようです。相手を思いやる気持ちを深めることで、差別化を図れるかもしれません。

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