第192回 トランプ関税の影響が出始めた
- ファンクラブ 林則行さん
- 8月31日
- 読了時間: 2分
米国生産者物価3.3%(7月)上昇
トランプ関税の影響が少しずつ米国の物価に現れ始めました。今日この点について解説いたしましょう。
図表1にそのことが現れています。米国生産者物価が、7月に3.3%となりました。これは6月の時点(2.4%)から大幅な上昇です。一方、米国消費者物価を見ると、4月2.3%、5月2.4%、6月2.7%、7月2.7%と着実に上昇しています。

米国消費者物価の上昇幅が小さいために、金融市場では楽観的なムードになっています。多くの人が生産者物価と消費者物価の構造に目を向けていないのです。
生産者は消費者にら商品をできるだけ買ってほしいので、最初のうちは自分たちがコストの値上がり分を吸収しようとします。つまり、自分の利ざやを減らして、消費者への価格転嫁をしないようにするわけです。
そのため、消費者物価の上昇が遅れます。ところが、我慢には限界があります。最終的には消費者にコスト転嫁せざるを得ませんから、時間の経過とともに、消費者物価は上がってしまいます。
消費者物価が生産者物価より遅れて動き、その上昇幅が小さい理由はそうした構造にあります。
7月に3.3%の上昇を記録した生産者物価は、近いうちに消費者物価にも影響を及ぼすようになるでしょう。これは消費者の購買意欲を減退させ、企業収益を圧迫します。ひいては、株価に対しても、大きなマイナスになっていくと考えています。
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