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第189回 日本の30年債が不人気

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 52 分前
  • 読了時間: 2分

リーマンショック前の水準まで下落

日本の株価暴落の兆候が債券価格に現れていることについて、今日はお話します。日本の30年債です。

図表1によれば、日本の30年債が利回り2.5%を超え、リーマンショック前の高値を抜きました。青線(左軸)です。なお、赤線は日経平均(右軸の対数グラフ)です。

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「利回りが上がる」ということは、債券価格が下がることと同じ意味です。投資家は、「リスクが高いから、利回りを上げてくれないと買えない(=価格を下げてくれないと買えない)」と言い出したことになります。

次に米国です。図表2によれば、米国は金利水準そのものは高いのですが、30年債(青線)はリーマンショック前の高値に一時達したに過ぎません。なお、赤線はNYダウです。

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さらに、10年債も見ておきましょう。図表3に日本の10年債、図表4に米国の10年債を記しました。両者ともリーマンショック前の高値に達していないという点で同じです。

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これらが意味することは何か?30年債は10年債に比べて償還までの期間が3倍長いです。「償還されないかもしれない」と投資家が恐れるリスクが3倍あるとも言えます。

一般に、債券投資家は株式投資家に比べてリスクに敏感です。債券を満期まで保有すれば、ドル債であれ円債であれ、100(ドル・円)に戻ります。株価のように長期で上がるということはなく、償還期限が近づくと、価格は100に近くなり、最後には100ちょうどで商品寿命を終えます。

「最後に元本(100ドル・円)が返ってくるか否か」が一番大事な投資基準です。これは株式投資の「成長期待」と全く異なる姿勢です。


現時点では、米国以上に日本の方が財政破綻のリスクが高いと投資家が考えていることがわかります。

日本の債券と株式への投資は控えるべきだという示唆が市場から読み取れます。

有料の投資講座を始めました。これに伴い、毎週更新するのはウイズのみとしました。ご興味のある方は次のURL「林則行の投資部ホームページ」をご覧ください。

 
 
 

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