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第170回 金価格は低すぎないか?

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 3月9日
  • 読了時間: 2分

金価格を誘導する組織の存在


金価格を低く抑えようとする勢力があると考えます。今日はそのことをお話しましょう。


その勢力とは、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)です。世界の金生産者や小売業者などで作る団体です。一般的に、業界団体は自分が取り扱う商品の価格が高いことを好みます。売上や利益が上がるからです。ところが、WGCはその逆の動きをしているようです。


WGCが「金価格を割安な方向に誘導しようとしている」と考えられる動きの例を図表1に掲げます。これは、NYの金先物(期近)価格から、WGCが毎日公表する現物価格を引いたものです。これによると、2023年初あたりから先物現物価格差が、徐々にプラス方向に上昇しています。直近数値は、70程度を表しています。「先物価格が現物価格より70ドル高い」という意味です。




この先物価格は世界最大のNY市場でつく価格であり、一部の投資家がコントロールすることはできません。これに対し、現物価格はWGCという組織が独自に決める価格です。こちらはWGCの一存で決めることができます。それが、図表1の値動きに現れていると考えます。


WGCには、ほかにも怪しい動きがあります。その一つは、四半期ごとに発表される金生産量です。これが大幅に改定されてしまうことが少なくないのです。例えば、2024年の第3四半期は当初は「5.8%の生産増」と公表していましたが、3ヶ月後には0.8%増に改訂されています。5.8%は大幅な増産ですが、0.8%増は微増です。同じような改訂(当初大幅増→改定値微増)が少なくないのです。当初、大幅増産発表により、金価格を弱含むように導いているのではないか、とぼくは思うのです。


また、WGCが中心となって作り上げた“SPDR(スパイダー)”というゴールドのETFは、「実際には金を購入していないのではないか」という噂が絶えません。


このように不明瞭な点がある団体が公表する現物価格は、公明正大な数値というより、恣意的なものを感じざるを得ません。

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