庶民はいつでも友好を望んでいる
韓国の現職大統領が罷免・逮捕され、新しい大統領がその職に就く公算が高まってきました。その際、「新大統領の下で再び日韓関係が悪化に向かうのではないか」という論調があります。よく聞く話ですが、おかしいと思いませんか?今日はこのことについて解説します。
失職中の現職大統領は、前任者と違い、親日的な方針を打ち出してきました。具体的な発言は次の通りです。
「日本はすでに数十回、過去の歴史について反省と謝罪を表明している」(2023年3月21日 韓国政府閣議)
「日本が100年前の歴史のためにひざまずいて謝罪しなければならないという考えは受け入れられない」(米紙ワシントンポストとのインタビュー2023年4月24日掲載)
親日的な大統領は私たち日本人にとっては嬉しいことなのですが、これに対して、「新大統領になれば、日韓関係がまた悪化に向かうのではないか」と指摘する専門家が増え始めています。
原則から言えば、大統領は国民の総意を政策にする役職です。国民の総意が日韓友好であるならば、大統領が誰に代わっても、両国の親密さは変わるはずがありません。
しかし、現実は大統領によって友好度に違いが出ています。どうしてなのか。その答えは、もう皆さんはおわかりになるでしょう。大統領は国民の総意を体現するために働いているわけではないからです。
本当のことを言うならば、「政治は外交関係を悪くするために存在する」と言い切ってもいいでしょう。もう少し正確に言っておきましょう。「政治は外交関係を悪くするという選択肢を常に抱えている」と言えます。
具体的に日韓関係を例として見てみましょう。図表1です。政治的に日韓関係が悪化した時期は2012年、2018年、2019年、2021年とありました。具体的な内容は図表に記しましたのでここでは省略します。

これに対して、図表2を見ると、訪日観光客の数は、韓国人はトップです。2003年には全体の28%を占めていたのが、現在は24%まで4ポイント下がっていますが、それでも他国に比べて圧倒的に高い割合です。

韓国の4ポイント低下の理由は、主に他のアジア諸国(中国・台湾・タイ・ベトナムといった国々)からの訪日観光客が増えているからであって、韓国人の日本熱が下がっているわけではありません。
図表3に具体的な人数の推移を記しました。ここに政治的に両国関係が悪化した時期を矢印で示しました。これを見ると、政治状況のいかんに関わらず、観光客が伸びていることがわかります。例外は2021年のコロナ全盛期と2019年です。2019年は、韓国が日本行きの飛行機の発着数を減らしてしまっているので、訪日観光客数が減ってしまいました。
ひとことで言えば、韓国人は日本贔屓(びいき)なのです。

にもかかわらず、政治家はいろいろな口実をつけて、両国関係を悪くしようとしています。なお、こうした傾向は、日韓だけではありません。日中間の尖閣諸島問題も同じです。両国関係を悪くするために持ち出した問題です。
政治スローガンがほとんど届かない香港に本当の庶民感情が現れます。尖閣諸島問題で日中が激突していた時期、香港人は、「どこ吹く風」といった調子で、介さないようでした。
全ての外交関係において、政治には「悪い方向に働かせよう」という意図が働く時があります。とりわけ、外交を内政問題(例:生活が良くならない)に関する人々の不満のはけ口にするといった場合が多いです。
隣国との領土問題がマスコミを賑わせ、人々は、「隣国はけしからん。領土はこちらのものだ」と叫びだします。ここが政府の狙いです。しかし、国民の本当の意思は、「どこの国の人とも仲良く幸せにやって行きたい」というものなのではないでしょうか?
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