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第162回 米国の物価は驚くほど高い

  • 執筆者の写真: ファンクラブ 林則行さん
    ファンクラブ 林則行さん
  • 1月11日
  • 読了時間: 2分

庶民が節約志向に走るのは当然

今日は米国の物価高についてのお話をいたしましょう。

図表1にあるように、米国の小売売上高(実質)はマイナスの月が多くなっています。つまり、米国の実質的な消費(インフレを除いた真の姿)が弱いことが示されています。こうした状況が続けば、株価は天井を打つことになります。



米国ではダウ平均株価が4万ドルを超えています。景気がいいはずです。にもかかわらず、どうして消費が弱いのか。それは物価が高いからです。

ニューヨークの価格を具体的に示します。ニューヨークでは、「ラーメンと餃子を注文するだけで、6000円かかる」と聞きました。「本当にそうなのか」と思って調べてみたところ、「ありうる話だ」ということがわかりました。

ラーメン一杯が20ドル、餃子が10ドル程度です。すると、合計で30ドルです。ここに飲食税8.875%と、チップ(15%~20%)を加えると最終的な支払いは40ドルになることがあります。40ドルは1ドル157円換算でいうと6280円です。

他の例も見てみましょう。図表2です。ビッグマック(単体)はNYで785円、東京の480円に比べて1.6倍です。フライドポテトとドリンクを含んだセットになると、価格差は2.9倍となってしまいます。



ユニクロのヒートテック(男性のTシャツ)は価格差が3.2倍、エアリズムが1.8倍です。日本でダイソーが100円で売っている商品は、米国では1.99ドルで売っています。これは310円ですから、日本の約3.1倍の価格です。

高価格帯の代表として、一流ホテルを比較してみましょう。マンダリン・オリエンタル・ホテルを取り上げます。このホテルは長期間世界最高と言われてきたバンコクのオリエンタルホテルを発祥としたもので、今では全世界に展開しています。バンコクでは、フォーシーズンの133,982円を抜いて、最も高いホテルなのですが、ニューヨークのマンダリン・オリエンタルは、それをさらに1.3倍上回る価格になっています。

なお、バンコクのフォーシーズンもマンダリン・オリエンタルも世界ランキング・トップ50に入る名門ですが、NYのマンダリン・オリエンタルはそうではありません。にもかかわらず、価格は最上位にあるのです。(これらのホテル価格は2025年2月1日~2日にかけて、1泊したという前提です。)

NYでは1月5日から渋滞税が導入されました。都心に入って来る車に対して1日あたり9ドル(1400円)が徴収されます。

ここまで物価が上がると庶民は節約第一になってくるでしょう。景気減速への方向性は明らかです。


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