ランキングの低い米が法外に高い理由
皆さんはどんな銘柄のお米が好きですか?
お米にはランキングがあり、最も上質なものを特Aとして評価しているのをご存知でしょうか?
令和5年度のランキングによれば、43産地品種が特Aとして選出されました。例えば、コシヒカリやあきたこまち、つや姫などがそれです。
ところが、ぼくが今日お話ししたいのは、こうしたお米の味わいの話ではありません。市場価格の持つ意味についての話です。
ここで、ぼくが最も好きな銘柄を紹介します。「龍(りゅう)の瞳」という岐阜県産のお米で、一般のお米に比べて、粒が倍ぐらい大きいものです。
この「龍の瞳」は特Aには入っていません。つまり、ランキングをつけている専門家はこのお米をあまり評価していないことになります。
さて、市場価格をお知らせしましょう。ネット検索すると、「龍の瞳」の価格は5キロ当たり12,808円です。これに対して、特Aの中でも、最も高価で有名な南魚沼産コシヒカリは6,480円です。価格が2倍高いことがわかります。
特Aでもないお米が特Aの最高ブランド米に対して2倍も値が張るのはどうしてなのか。理由は簡単です。消費者は、専門家ランキングとは別に、自分の舌を持っています。消費者は「2倍のお金を払ってもいいから、龍の瞳を食べたい」と思っているのです。
特A、Aといったランキングという評価をつけているのは、農業団体です。この人たちは、簡単に言えば、自分たちのお米の価格を守ることが使命になっています。仮に龍の瞳を特Aにしてしまうとしましょう。すると、それ以外のお米は全て特Aから外れてしまい、第2番目のランキングになってしまうでしょう。これでは、自分たちのお米を守ることができなくなってしまいます。
大事なのは市場の評価です。市場価格は本当のことを教えてくれます。これに対して専門家のランキングは、常に保身が優先です。こうしたことをお米のランキングという身近な問題から、わかっていただければ幸いです。
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