第130回 オレンジジュースの価格高騰から何か見えてくることがありますか?
- ファンクラブ 林則行さん
- 2024年6月1日
- 読了時間: 2分
質問:
TV報道によると、オレンジジュースの価格が高騰を続けているとのことです。メーカーによっては、調達中の原料がなくなり次第、生産を停止するところもあると聞きました。こうした状況は経済にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
回答:
原材料の価格高騰は一般的には、景気サイクルの最終局面に起きやすいとされています。オレンジジュース価格の高騰もそのひとつかもしれません。
解説:
図表1にオレンジジュースの先物価格を記しました。2020年~21年は比較的穏やかな動きでしたが、23年から高騰が始まり24年も続いています。

図表2にオレンジジの国際的な生産量を記しました。X軸の見方について説明しておきます。オレンジは冬場に収穫する作物であることから、1~12月で生産量を測定するには無理があります。そこで、2020年の後半と2021年前半を一つの年として、2020年/21年度とすることが普通です。
図表2によれば、2021/22年度から2022/23年度にかけて生産量は1893万トンから1765万トンに減少しました。減少幅は7%に過ぎません。それでも、価格は倍以上に高騰しています。

ここに商品価格の特徴が現れています。少量の生産量の差(時には、少量の需要の増減)によって価格が大きくずれ動くのが普通です。ゴールド価格が同様に激しい上昇期が来る際に、「生産量がたった○%しか落ちていないのに不思議だ」といった声が上がるかもしれません。
2024年に至っては、生産量はほぼ前年と同じです。この2024年の統計は1月時点のものなので、実数はさらに大きくなる可能性が高いです。こうした状況下に、価格が上がるのは理屈にはかなっていません。
これは景気過熱後期特有の動きだと解釈できます。
過去の事例を紹介しましょう。国際商品指標の代表とされるCRBインデックスが天井価格をつけたのは2008年3月でした。株価の天井が2007年10月でした。株価より5か月遅くピークを迎えたわけです。この後、リーマンショックとなりました。つまり、リーマン証券などの大手金融機関が破たんして、米国株価は6割下げることになりました。
オレンジジュースの価格の動きから判断すると、景気過熱後期に入っていとる考えられます。
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