質問:1ドル160円という歴史的な円安が起きています。この理由は何でしょうか?
回答:
米国政府がドル高(円安)を奨励しています。ドル安になると困ることが起きるからです。これが最大の理由です。
解説:
ドル円相場は、「日米の金利差(長期金利の差)と大きな相関がある」というのがエコノミストたちの考えです。この考え方は間違ってはいません。図表1にあるように、円安と金利差は、同じような方向に動いてきました。
例えば、金利差が1%に過ぎなかった2021年初ではドル円相場は100円程度でした。2024年の現在では金利差は4%近くあり、ドル円相場は150台になっています。
しかし、常にこうした相関があるということではありません。図表2を見ると、全く違った動きをしていることがわかります。2014年から2020年までの動きを見ると、相関がほとんど見られないのです。相関が高いのは、2021年以降です。つまり、ある時期は相関をして、ある時期は相関をしていないということがわかります。
なぜこのように相関の高低差の時期があるのか。それはおそらく米国政府の意思によるものなのでしょう。現時点では、米国政府は円安(ドル高)を容認しています。その理由は、ドル安になってしまうと大変なことが起きるということがわかっているからです。
米国政府は、不動産価格や株価が非常に高いことを懸念しています。別の言い方をするなら、資産価格の暴落を大変懸念しているということです。その際、大きなドル安が起きれば、基軸通貨としての存在意義が疑われるような状態になってしいます。
株価暴落の際に、ある程度のドル安は仕方がないでしょう。ドル安をドル暴落につなげないためには、現時点でできるだけドルを高い位置に保っていくことが重要です。ドルを守ろうとするという米国政府の意思がかなり固くなっていると言えます。
エフライム様
今週の定例発信も他では見たことがない大変興味深い鋭い指摘です。
特に成長を続けている新興国の通貨の番人である中央銀行のゴ-ルドの爆買いはゴ-ルドを「一番信頼できる資産」と考えている何よりの証です。
中央銀行のシルバー、プラチナ、ビットコインの爆買いなんて話しは聞いたことがありませんから。
世界中🌏のどの中央銀行も金融危機等の非常時に備えて「ゴ-ルド」を保有しております。
中国🇨🇳やロシア🇷🇺の中央銀行はとても賢明です。リスクの高いアメリカ国債🇺🇸を売却して、ゴ-ルドを購入していますね。
日本🇯🇵も見習うべきですね。
今週も大変興味深い鋭い解説を頂きましてありがとうございました。
学校では、日本は、サンフランシスコ講和条約を結び独立を果たして、主権を回復したと学びました。
しかし、実態は、日本は、未だに敗戦国のままだということを改めて実感しました。
日本銀行が保有していると言われている800t以上のゴ-ルドをアメリカが保管していることがそのことを何よりも裏付けています。保管しているならばまだしも、既に勝手に売却していて既に無いという話しを伺います。果たして日本銀行が保有していると言われているゴ-ルドを見た人などこの世にいるのでしょうか?
それどころか、アメリカの借金である国債ばかり大量に買わされて、日本には、アメリカの基地を幾つも作り、中国やロシアへの「防波堤」として「捨て駒」にするつもりでしょうか?
とても心配です。