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  • 執筆者の写真ファンクラブ 林則行さん

第106回 機関投資家はどうして馬鹿なのでしょうか?

質問:

林さんはセミナーで、「機関投資家は馬鹿だ」と言っています。「へえ、そうなんだ」と思って聞き、話は楽しかったのですが、「でも、どうして馬鹿なのだろう?」という疑問が残りました。


回答:

出来が悪いのは機関投資家だけではありません。個人投資家も全体の9割が損をしていると言われており、状況は変わりません。しかし、セミナーでは、そうしたことは皆さんにとって、それほど重大な話ではないので、機関投資家に絞って話しています。


解説:

ぼくには、「機関投資家は馬鹿だ」を力説するだけの理由があります。皆さんは、機関投資家はとても優秀な人たちだから、その人たちの話をよく聞いて参考にしようとしていませんか。それは大きな間違いで、耳を傾けることに利益がないどころか弊害があります。このことに気づいてもらうために機関投資家の出来の悪さについて語っています。

しかも、機関投資家が自分たち個人投資家と同じ程度のパフォーマンスしかあげることができないとわかれば、機関投資家に対して、必要のない劣等感を持つ必要がなくなります。これらが、ぼくが機関投資家の馬鹿さ加減についてセミナーなどで述べている理由です。


個人投資家も機関投資家も似た行動パターン

図1は個人投資家の金の先物ポジションと金価格に示したものです。金価格が高い時にたくさん買っており、金が安いときに買っている量が少ないことがわかります。黒丸をつけた個所が買いポジションの最も少ない時で、金価格が直近の底値に達した時期でもあります。




これは機関投資家と同じパターンの動きです。図2が機関投資家のポジションです。これを見ると、機関投資家は、金価格が低くなると空売りを始めていることがわかります。買いポジションがマイナスになっているからです。空売り時期には黒丸をつけました。




図3は、機関投資家と個人投資家のどちらがより出来が悪いかを比較したものです。機関投資家の方がひどいです。なぜかというと、時期によって買いポジションの量を大きく上下させているからです。投資では大胆な行動は大事ですが、上がってきたら、「さあ、買いだ、買いだ」となり、下がってきたら、「さあ、売りだ、売りだ」とやっていたら損しか生まれないでしょう。




根本的な問題として、どうして機関投資家の頭が悪いのか。

別の職業のプロと呼べる人たちでも同じようなことが言えるのではないか、というのがぼくの推察です。私たちは何らかの分野でプロとして仕事をしており、そこでお金を稼いでいます。つまり、私たちが何らかのプロのはずです。

皆さんは周りの同僚たち、プロの仲間たちを見回してみてください。プロとし高い力量を示している人たちがたくさんいるでしょうか?それよりも、「本当にこれでお金を取っていいのだろうか」と思えるような、素人に毛の生えたような人たちが多いのではないでしょうか?


つまり、機関投資家だけがレベルが低いのではなく、世の中のプロというものは、その程度のレベルなのではないか。これがぼくの仮説です。機関投資家は自分のパフォーマンスがある程度公表されてしまいます。そのため、馬鹿さ加減を内緒にしておくことができません。世間に明確になってしまうところが、機関投資家の可哀そうなところかもしれません。


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