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執筆者の写真ファンクラブ 林則行さん

第103回 米国の失業率が上がってきました。株価暴落の予兆と考えていいでしょうか?

質問:

TV報道で米国の失業率が上がったと聞きました。失業者が増えれば不況になります。不況になれば株価が下がります。大暴落が近づいていると考えていいのでしょうか?


回答:

失業率の上昇は危険なサインです。しかし、それだけですぐに大暴落が来るわけではありません。近づいてきたのは確かです。



解説:

2023年10月の米国失業率は3.9%になりました。

7月 3.5%

8月 3.8%

9月 3.8%

と数値が上がっています。


上昇の理由は何か?

物価の上昇です。ご存知のように、日本でも物価が上がっており、多くの人たちの生活が困窮し始めたという事実があります。


米国では事情がさらに厳しいです。理由は、米国の方が価格上昇が激しいからです。日本の消費者物価は3.0%の上昇率に比べて米国は3.7%です。


住宅価格は年収の5.5倍から9倍超になり、自動車価格は2020年の150(インデックスの数値)から現在180にまで上がっています。自動車ローンの審査失格率は2022年の2%から現在の14%にまで上がっています。住宅着工は180万戸(2022年4月)から136万戸(2023年9月)にまで下がっています。


米国では借金で首が回らない人が増え、中小銀行はその影響を大きく受けています。2015年には貸し倒れ率が2.8%だったのが、現在では7.5%にまで上昇しています。


景気悪化のサインがあちこちに出ています。いよいよ失業率にも現れ始めました。失業率悪化を背景に、景気の悪化度合いが大きく進むでしょう。


ただし、株価には株価の事情があります。マネーの供給次第ではまだ上昇の余地があるかもしれません。経済と株価は犬と尻尾のような関係ですから、犬の体調が悪くなれば、尻尾だけが元気でいることはありません。いずれは尻尾も元気をなくしていくでしょう。


なお、今週がさくらインベストのツイッター最終回です。


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