第14回「日本円は紙屑になるからドル建て資産に変えた方がいい」という意見に対しどう思いますか?
- ファンクラブ 林則行さん
- 2022年5月13日
- 読了時間: 2分

質問:
いつもありがとうございます。
貴重な情報源として拝読しております。
日本国の行く末とその対処法について、林則行さんの見解をお伺いしたくメールしました。
元JPモルガンで伝説のトレーダーといわれている藤巻氏によると、
日本銀行はいづれ債務超過になり、日本円は紙くずになる。
新中央銀行を設立し新円に切り替えてやり直すしかない。
これに備えて、円は生活に必要な最小限だけもち、ドル建て資産、例えばMMFなどに変えておくことを推奨されております。
この見解について、林則行さんの見解をお伺いできれば嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
追伸
小生は資産運用の素人です。
保有資産はS&P500のインデックスに積立投資している程度です。
今後の投資方針としてはsp500は徐々に売却し、
純金積立や地金に切り替えようと準備しています。
回答:
藤巻氏の見解は矛盾しています。
藤巻氏の見解を簡単に要約すると、「日本はだめになる。だから米国がいい」となります。日本がだめになる時、米国もだめになることはありえないでしょうか?世界の経済は連動しているので、その方が普通ではないでしょうか?
仮に藤巻氏の考えが正しいとしても、「日本がだめになる時、米国はましな程度」となるでしょう。皆さんは「まし」なものに投資したいですか?投資をするなら、「素晴らしいもの」がいいですよね。
藤巻氏の主張は「日本銀行はいづれ債務超過になり、日本円は紙くずになる」です。ぼくもだいたい賛成です。大きなインフレが日本を襲うというシナリオです。敗戦時のインフレで銭という単位のお金がなくなったように、日本が10倍のインフレになれば、現在1円の商品は10円になるので、将来は現在の1円玉、5円玉は使われなくなる可能性があります。
そんな時期に米国は我が世の春を謳歌できると思いますか?日本が債務超過に陥る時、米国も陥るかその寸前までいっているでしょう。そんな国に投資をしていいのでしょうか?
お札は皆が信用しているという前提でできています。人が信用しなくなったら、1万円札は印刷コスト24円で出来た印刷物にすぎません。皆さんがアフリカの紙幣をみると、価値を全く感じないでしょう。普通の日本人には信用できないからです。同じことが国内の通貨に起きた場合、頼るべきは本物の通貨(ゴールド)になるでしょう。
現在投資されていらっしゃる米国株から金へシフトされると伺いました。賢い選択だと思います。
すばらしいご質問と、先生のご回答を読まさせていただきました。実にシンプルで、わかりやすく、指針になります。 ありがとうございます🐟