質問
ゴールド価格が2023年9月下旬から下げ始めました。今後の見通しが知りたいです。
回答
ゴールドは価格が大きく飛躍する直前の段階にあります。これから大きな価格上昇が始まるでしょう。ゴールドの相場に影響を与える主な投資主体は2種類です。鉱山会社と機関投資家です。両者の行動分析から、「ゴールドはもうすぐに上がり始める」と読むことができます。
相場下手の機関投資家が売り始めた
解説:
現時点で特に大事なのは機関投資家の行動です。機関投資家は毎月個人・法人投資家から資金を預かります。そのため、いつでも現金が豊富にあります。こうした理由から、機関投資家はいゴールドの買いポジションを持つ習性があります。
ところが、機関投資家は時に相場の先行きに悲観的になり、買いポジションを閉じて、売りポジションを持つことがあります。所謂、空売りを行うということです。2023年10月3日のCFTCのレポートを見ると、現在はこの状況になりました。
つまり、ゴールド相場の先行きにとても悲観的なのです。皆さんに何度もお伝えしてきたように、機関投資家は相場下手です。機関投資家の逆に相場を張ることが儲けの基本です。
図1を見ると、3か所、空売りを行っている時期(黒い点線の丸をつけた個所)があります。その直後にゴールド相場が上がっているのがわかるでしょう。
図1は期間が長期になっているので、最新週のデータがよく見えません。そこで、図2をつけました。直近の週に空売りの跡が見て取れます。言葉は悪いですが、「馬鹿が本領を発揮し始めた」ということです。私たちが安心してゴールドを買い増すことができます。
相場上手の鉱山会社が強気になっている
これに対して、鉱山会社は通常は売りポジションを持ちます。鉱山はゴールドを生産するところですから、普通はゴールドの買いポジションは持ちません。価格が高くなったと思ったら、先物市場でゴールドを売っておき、あとから、掘り出したばかりのゴールドを手渡しするのです。
鉱山会社は私たち個人や機関投資家と違い、ゴールドに関する情報を豊富に持っています。「機関投資家も情報通なのではないか」と思ったら大間違いです。彼らには株や債券、為替など多数の投資物件があるので、ゴールドはその中のひとつの投資先でしかありません。
その点、鉱山会社は売り物がゴールドしかないので、情報収集に余念がありません。
簡単に言えば、私たちは鉱山会社と同じような投資行動を取ることが成功への道です。鉱山会社から情報を入手することはできませんが、彼らがどう行動したかは市場の毎週のレポートを通じて知ることができます。
図3を見ると、鉱山会社が売りポジションを少なくする際(黒い丸印)あたりから、相場が反転して上がり始めていることがわかります。2022年11月には売りポジションが1万枚以下となったことがありました。現在のレベル(2.2万枚)はそこまでは低くはありませんが、相場が反転するには十分に低いレベルです。
機関投資家が悲観的になり、鉱山会社が強気になっている今は、金価格飛躍の直前だと言えます。
毎週楽しみに林先生の記事を読ませていただいております。
私も最近のGOLD価格が急激に下落しましたので、眠れないまではいきませんが正直「どこまで下落するのかな」と不安を覚えた一人です。
そんな不安を覚える人が増えると、むしろ先生はこれからGOLDが上昇していくのかと感じるのですね。
先生は、ただGOLDが上昇するというのではなく、図解等で根拠を示していただけるので非常に分かりやすいですし、腑に落ちます。
今回の記事を読み、不安から期待に強く変わりました。ありがとうございます。