質問:
ゴールド価格が史上最高値になっています。世界の情報通の人たちは今のゴールド価格をどのように見ているのでしょうか?割高だと思っているのでしょうか?それともまだ上がると思っているのでしょうか?
回答:
これからまだ上がると思っています。
金価格の今後について考える時、最も多くの情報を有しているのは鉱山会社や金の流通、小売りにかかわる人たちです。この人たちは今後の生産量の増減に関する情報のほか、店頭でのゴールドの売れ行きに関する情報を持っています。
鉱山会社、流通業者を中心とした人たち(鉱山会社等)の見方に沿って、私たちもゴールドの保有を進めていくのが最善です。
鉱山会社等の総意はNY先物市場の手口(具体的には売りポジション)として現れています。鉱山会社はゴールドを生産するところですから、今後価格が下がると思えば、まだ生産前のゴールドを先物で早めに売ってしまおうと思うでしょう。つまり、売りポジションが積み上がります。逆に、今後上がると思えば、今は売りを控えておこうとするでしょう。つまり、売りポジションが少なくなります。
図を見ると、2020年に入ってから売りポジションの量がだんだんと減っているのがわかります。金価格が1800ドルを超えた時点からです。
普通に考えると、価格が高いほど売りたい気持ちが増すのが人情です。しかし、鉱山会社の人たちは逆に売りを少なくしてしまいました。なぜか?もっと上がることを感じ取っているからでしょう。
図の中のAとBを見てください。これらの時期の売りポジションを見ると、金価格に関する強気・弱気が一目瞭然です。AとBとでは金価格にそれほど違いがないのに、売りポジションは大きく違います。Aの地点では先安になると予測しており、B地点では先高になることを予測しています。
図中の丸印(点線の丸印)にも注目です。丸印は売りポジションが極端に少なくなった時期であり、その後金価格が上昇しているのがわかります。しかも、売りポジションがこうした低レベルをいったん付けると、その後数年は上昇傾向にあります。
直近で売りポジションが低レベルに達したのは2022年秋ですから、同じような傾向が続くとするなら、今後もある程度の期間は金価格の上昇を見込むことができるということになります。
なお、機関投資家がどのように金価格を見ているかも重要です。これも参考にしてください。本日掲載の定例発信に記しました。
また、こうした売りポジションについては自分でも検索でき、エクセルを使って毎週数値を把握するのもいい方法です。『株の暴落サインを見抜く方法』(宝島社)に詳しく記しましたのでご覧ください。
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