第205回 破綻しても動じない資産、それが1540
- ファンクラブ 林則行さん

- 22 時間前
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三菱信託が万一破綻するとどうなるか
1540(純金上場信託 金の果実)のリスクについて説明します。それは運用している会社が破たんすることです。しかし、結論から言えば、「破たんしたとしても問題はない」ということです。今日はその理由を述べます。
運用会社とは三菱UFJ信託銀行です。同社が経営破綻したとしても、金そのものが失われることはありません。
その理由は、「信託財産」という特別な仕組みにあります。信託財産とは、銀行本体の資産とは完全に分けて管理される資産のことです。つまり、銀行の経営状況が悪化しても、その影響が金の保有者に及ばないよう法律で守られています。
このため、万が一三菱UFJ信託銀行が倒れた場合でも、金そのものは「別の受託先」に引き継がれ、最終的には投資家の手に戻ります。ただし、再び自由に売買できる「動かせる資産」に戻るまでには、少なくとも1か月以上の時間がかかると考えておくのが現実的です。
投資家の資産を守る三銃士
ETF1540が保有している現物のゴールドは、国内の厳重な倉庫(三菱倉庫)で保管されています。
国内保管は1540の特長です。海外で保管されているETFだと、万が一の際に現物を確認するまでに時間や手続きの壁が生じます。
一方、1540は国内で直接保管されているため、たとえ運用が止まったとしても、再開までのスピードが速いです。新しい運用会社が保管状況を確認するための期間が短くて済むからです。このため高い信頼性を獲得しています。これは「日本国内のインフラで完結する安心感」という、他にはない強みといえるでしょう。
ほかにも安心感を与える施策が行われています。
保管倉庫は温度・湿度・セキュリティなどが徹底管理され、外部の独立した監査機関による現物確認が定期的に行われます。これにより、「確かに金が存在する」ことが第三者の目で常にチェックされています。
さらに、盗難に備えた保険が付帯しています。保険の対象外となるのは天災・戦争・テロなどの不可抗力的なケースのみで、通常の盗難リスクはしっかりとカバーされています。
ここまで述べてきたように、
・分別勘定
・外部監査
・盗難保険
という3つが、まるでゴールドを守る“三銃士”のように、投資家の資産を守り続けています。
破たんしても狼狽して売らない
信託銀行の破綻が起きた場合、運用が新しい会社に引き継がれるまでの間、一時的に売買が停止します。いったん再開すると、「今のうちに売っておこう」と焦る投資家が増え、価格が一時的に下落するかもしれません。
しかし、ここで慌てて売却すると、本来の価値よりも安い価格で手放すことになり、結果的に損失を被るリスクがあります。もう少し保有しておけば、価格が戻ったにもかかわらず、慌てたための損失です。市場が落ち着くまで冷静に待つ姿勢が、最終的には資産を守る最善策です。



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