清原さんは最優秀の人材
今日は清原達郎さんを紹介します。最近の著作『わが投資術』の著者です。彼のファンドの成績は、25年間で資産を93倍に拡大したという点で、日本最高のパフォーマンスを上げたと言えます。
清原達郎さんは、9月4日のNHK「おはBiz」に出演されていました。TV出演は最近では初めてでしょう。録画番組をご覧になる方は、朝の6:45分頃からです。今日は、ぼくがお会いした印象を語ります。
初めて会ったのは1990年だったと思います。清原さんもぼくも30歳前後でした。清原さんがニューヨークの野村証券で働いていた時、ファンドマネージャーを募集していました。ぼくはそれに応募しました。清原さんはその日の夜の会食の際、「自分は近いうちにこの会社を辞める予定だ」とお話しされました。ぼくは驚きました。採用しようとしている人が辞めてしまう会社に行くのはどうも乗る気がしないと思いました。
それでも、この時の印象は鮮烈でした。とても仕事のできる、エネルギッシュな人だったのです。その後も金融界でたくさんの人に会ってきましたが、仕事力と熱意の点でトップ3に入る逸材でした、
次にお会いしたのは1999年だったと思います。ニトリの会社説明会でした。機関投資家が30名ほど集まっていました。当時ニトリは札幌上場で、まだ東京証券取引所には上場していませんでした。東京や関東地区には店は一店もありませんでした。
そんなときに説明会で、数々の質問を社長に浴びせていたのが清原さんでした。その様子を見て、「この会場内でニトリに投資しているのは、彼とぼくくらいだろう」と思ったことがありました。その後株価は何十倍にもなりました。
清原さんの大きな失敗
清原さんには大きな失敗がありました。それはリーマン・ショックです。リーマン・ショックの時、彼はファンドの株式保有率を100%近くにしていたようです。日経平均が6割下がったのですから、そのときファンドの成績も大きく下がったでしょう。株式の買い(保有)だけでは、相場の下落時は、どうしても大きな痛手を伴ってしまいます。
ただし、ここで清原さんを擁護(えんご)する発言をしておきたいと思います。ファンドには規則があり、多くの場合は、「株式組み入れ比率を100%近くにする」となっています。つまり、彼にとっては避けることのできない損失だったと言えます。
ぼくの投資法は清原さんとはだいぶ違います。それは、ぼくが皆さんに「下げ相場で資産を減らさないこと」を最大限に強調している点です。具体的には、ゴールドの買いが有効です。ゴールドは株式上昇時期でも高パフォーマンスを達成してきましたが、下げ相場では唯一買うことのできる資産として注目を集めるでしょう。
最後に皆さんにお伝えしたいこと
NHKの映像を見ていて、清原さんを大変気の毒に思いました。喉頭がんの手術の結果、声帯を取ってしまったので、声が出せないのです。レポーターからの質問に対して、キーボードを叩いて答えていました。以前のような仕事力に卓越したエネルギッシュな姿は見ることができませんでした。
ファンクラブの皆さんには、「仕事力を維持するには健康抜きではありえない」ということをわかってほしいと思います。機会があれば、「どうしたら健康を失わないで済むか」というお話もしたいと思っています。
すぐ買いました。まだ途中ですが、自分の考えがみんなと同じなら投資アイデアにならない、という単純なことを思い起こしました。
ぜひ健康についてのお話もお聞かせください。よろしくお願いします。