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執筆者の写真ファンクラブ 林則行さん

第9回 ウクライナ問題で世の中は悪くなりますか?

更新日:2022年4月22日

質問:



ファンクラブの4月8日のウイズについて質問させて頂きます。  ウクライナ問題の報道を鵜呑みにしては、いけないことは、良くわかりました。  私は、ウクライナ問題が更に大きな問題になってしまう可能性をとても恐れていましたが、大きな問題になる可能性は低いとみるべきでしょうか?




回答:

ロシアのウクライナ侵攻によって、私たちの暮らしや経済、株価が大きく変わることはないでしょう。


国際政治の最大の変化:ロシアが世界の悪役となった

ウクライナ侵攻によって、ロシアのイメージは突如悪くなってしまったのではないでしょうか?日本人だけでなく、G7諸国の人々は皆「ロシア=悪者」と思っています。この傾向は長く続くでしょう。


ウクライナ問題の本質的な構図はロシア対米国です。さらに言えば、ロシアや中国、インドといった新興国対先進国(日欧米)です。

歴史は繰り返します。第二次世界大戦


直後から、東西冷戦時代が始まり、ロシア、中国といった社会主義・共産主義と資本主義(先進国)の対立が起きました。ソ連悪役時代です。この時代が終わったのが1989年のベルリン(東ドイツ)の壁崩壊です。ここから東西融和の時代が始まり、ロシアが善玉に変化しました。

図には

赤いシャドー期: ソ連悪玉時代

青いシャドー期: ロシア善玉時代

の2つの時代を記しました。

株価の動きをみると、赤い時代から青い時代に入っても、大きな変化はありませんでした。


私たちは再度赤い時代(ロシア悪玉時代)に入ったと考えられます。

政治から見れば大きな変化かもしれ


ませんが、株価には影響しないでしょう。なぜか。



ウクライナは恐慌の引き金にはならない

図の中で一番大きな下落は1929年に始まる世界恐慌時です。米国発の大恐慌です。日本の株価も大きく下がり、庶民の生活にも大きな影響が生じました。その次の大きな下落は


リーマンショックであり、ITバブル崩壊後の下落でした。


経済の崩落が株価や暮らしに大きな影響を与えることがわかります。米国は景気の最終局面に入っているので、それが理由となって恐慌が引き起こされる可能性はありますが、ウクライナのような政治問題が引き金になることは考えにくいです。ベトナム戦争、中東戦争でも株価は大きく下がっていません。



コロナと似た展開になるウクライナ危機


私たちの暮らし、経済に対してウクライナ危機がどのような影を落とすかについていえば、コロナ問題と似ているとぼくは考えます。


コロナ問題について日々報道があり、暗いニュースが流れています。コロナが大きく取り上げられるようになって1年半が経ちました。よく考えてみてください。危機ばかりがクローズアップされ、実際にはそれほど悪いことは起きていないのではないでしょうか?


専門家が煽(あお)るのが原因です。台風が近づくと、気象予報士たちが、「最悪の場合はOOOOOOになりそうです」といった旨の発言をします。実際に最悪はめったにおきません。予報士たちは「まさかの時のための」責任逃れをしているわけです。


コロナ専門家はなお質(たち)が悪いです。疫病の専門家がTVに出て活躍できるチャンスはめったにないので、「これを自分の好機につなげよう」と大げさな発言を繰り返します。全員が全員そのような態度で臨むので、聞き手の私たちは真に受けてしまうのです。


その点、株価は正直です。コロナ暴落ありましたが、その後回復し、新高値をつけました。添付の図からは「無視できる程度の小さな下げ」にしか見えません。これがコロナ問題の実態ではないでしょうか?ウクライナも似た展開になると考えます。


暗い時代は金投資家にとって輝く時代

ロシアが核兵器を使えば、世界に大きなショックを与えるでしょう。(日本には落ちないので心配しないでください。)株価は予想以上に下がるでしょう。ただし、これは金投資家にとっての好機です。暗い時代に人々が頼るのは現物資産(特にゴールド)です。


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